スピリチュアリストの英国最大の統一組織 SNU (Spiritualists National Union) では、七大綱領を通じた近代スピリチュアリズムの哲学を啓蒙するという目的のもと活動を行っています。そして、この哲学に基づいた生き方を選び、理解・実践している人のことをスピリチュアリストと呼びます。
この七大綱領は、心霊誌 Two Worlds を創刊したビクトリア時代の女性霊媒エマ・ハーディング・ブリテンを通じて、霊界から霊言で届けられたものとされています。
→エマ氏についての詳しい記事はこちら
スピリチュアリズム七大綱領
- 神は全ての父である
- 人類は同胞である
- 霊的世界と地上界との間には霊的交わりがあり、人類は天使の支配を受ける
- 人間の魂は死後も存続する
- 我々には自由意志とそれに伴う責任がある
- 善悪にかかわらず全ての行いには相応の報いが生じる
- いかなる魂も永遠に進化の道が開かれている
七大綱領の第六綱領には、次のような重要な霊的真理が示されています。
「善悪にかかわらず全ての行いには相応の報いが生じる」
この言葉を聞くと、多くの方が「罰」や「裁き」をイメージするかもしれません。
・悪いことをすると罰が当たる
・良いことをするとご褒美がもらえる
・神様が善悪を判断している
このような考え方は、昔から広く知られてきました。
しかし、スピリチュアリズムが説く第六綱領の意味は、これとは少し異なります。
ここで示されているのは、神や誰かが判断して報いを与えるという考えではありません。
そうではなく、自然法則として「原因と結果」が働くということです。
私たちの思い、言葉、行動はすべて原因となり、それにふさわしい結果が生まれます。
それは地上にいる間だけではなく、死後の霊界においても続いていきます。
つまり、人生のすべての行いが、魂の成長に影響を与え続けていくということなのです。
この法則は恐れるべきものではなく公平さを表しています。
誰かに不公平に扱われることもなく、また他人の責任を背負うこともありません。
自分の行いが、自分の未来を形作っていくのです。
これらを前提に、そしてスピリチュアリストの視点から 第六綱領:善悪にかかわらず全ての行いには相応の報いが生じる をどのようにとらえるか考えていきたいと思います。
私たちは身体を持った霊的存在
この法則を理解するために重要なのは、私たちの本質を理解することです。
私たちは「霊を持った身体」ではなく、「身体を持った霊的存在」です。
つまり、本来の私たちは肉体ではなく魂なのです。
その証拠に、意識や感情、愛情は身体とは別のものとして存在しています。
夢の中で亡くなった人に会ったり、遠く離れた人を思い出したりする体験は、多くの人が経験しています。
こうした体験は、意識が肉体だけに限定されていないことを示しています。
もし魂が永遠に続く存在であるならば、人生の中で行った思いや行動もまた、魂に影響を残し続けます。
つまり、死によってすべてが消えるのではなく、私たちの経験は全て魂の経験として残っていきます。
このため、地上での経験はすべて無意味ではありません。
- 思いやり
- 優しさ
- 誠実さ
こうした私たちが地上生活で経験した感情は魂の本質として残ります。
反対に
- 利己主義
- 怒り
- 冷酷さ
このように経験した感情もまた、魂の本質として残ります。
私たちの地上人生は魂の成長の過程であり、そのすべては成長において必要なことなのです。
なぜ悪い人が報いを受けないように見えるのか
日常生活の中で、次のように感じることはないでしょうか。
- 成功している人がすべて善意溢れる人とは限らない
- 誠実な人が損をしている
- 努力しても報われないことがある
このような状況を見ると、「本当に報いがあるのだろうか」と疑問に感じることがあります。
しかし、第六綱領は地上の人生だけで結果が完結するとは言っていません。
魂は死後も存続し、霊界で自分の人生を振り返ります。
そのとき、自分の行いがどのような影響を与えたかを深く理解することになります。
これは、自分自身が、自分の行いの影響を理解するということ。
例えば、他人を傷つけた行為があった場合、その結果として生じた苦しみや影響を、自分の意識として感じるでしょう。
そして、正しい行いをしても、その動機が利己的なものであった場合は、自分の意識に罪悪感や劣等感などを感じるでしょう。
これは私たち一人ひとりに与えられた理解と成長のための体験です。
反対に、他人への善行を正しい動機で行った結果、生じた感謝や喜びは自分の意識として感じるでしょう。
このように、地上で見えない結果も、霊界では明確に理解するようになります。
そのため、すべての行いには必ず報いがあるというのです。
日常生活に見る原因と結果
この原因と結果の法則は、私たちの日常生活でどのように影響を及ぼすのでしょうか。
これは、大きく表面的なものと内面的なものと2つにわけてみます。
表面的なものですと、例えば人間関係での結果はわかりやすいですよね。
家族に思いやりのある言葉を使うことで家族の雰囲気が穏やかになります。
職場で切実に仕事をしているとその姿勢が評価されます。
友人が困っているときに手を差し伸べることで感謝をされます。
家族に不平不満をぶつけていると家族の雰囲気が悪くなります。
職場で期限を守らず仕事をしていると信頼を失います。
友人を裏切り自分だけいい思いをしようとすると孤立します。
しかし、内面の原因と結果の法則はいかがでしょう。
自分にはどれだけ利己主義が潜んでいるか
自分には利他心がどれだけあるのか
無条件で心から他人をどれだけ愛せているのか
これは、私たちの内面(内側)の想いのため、目には見えません。
そのため、結果として現象化するにはそれに行動が伴うため時間差があります。
マザー・テレサが残した有名な名言があります。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
これは、いかに私たちの思考が大切かを述べています。
表面的に現れる前に、すべては内側の想いからはじまっています。
そして、その想いには必ず動機が伴います。
無条件に他者を想う利他心から発露される行いは愛情となり、その結果巡りめぐって自身にもその愛情が返ってきます。
その反対は、どうでしょう?
原因という種を思考としたとき、どのような種を蒔きたいですか。
私たちの一つひとつの想いが花開くとき、どんな花を咲かしたいですか。
原因と結果という因果律、そしてその動機を今一度考えていきたいですね。
霊的視点で観たときにはすべてが平等
この法則は、私たちに責任を与えると同時に希望も与えます。
私たちには自由意志があります。
- どのように考え
- どのように行動し
- どのように生きるか
それは自分で選ぶことができます。
そして、その選択が未来を形作ります。
これは魂の成長の機会です。
どんなに小さな善い行いでも、必ず意味があります。
- 思いやりの言葉
- 小さな親切
- 誠実な行動
これらを正しい動機の上に行うときに私たちの魂の成長につながります。
第六綱領は、人生に無駄な経験はないことを教えています。
すべての行いが、魂の成長の一部なのです。
シルバーバーチはこう語っています。

原因と結果の法則、タネ蒔きと刈り取りの原理が働くまでのことです。自動的であり機械的です。かならず法則どおりになっていくのです。あなたが行なったことが必然的にそれ相当の結果を生み出していくのです。報賞も罰も、あなたの行為が生み出す結果にほかなりません。
この言葉は、第六綱領の本質を表しています。
報いは罰ではありません。
自分の行いが生み出す自然な結果です。
そしてその法則は、霊的視点で観たときにすべてが平等でありすべてが公平です。
私たちが善い種を蒔けば、善い結果が生まれます。
それは地上でも、死後の霊界でも続いていきます。
人生のすべての経験は、魂の成長のためにあるのです。
第六綱領は、私たちの人生が意味あるものであることを静かに教えてくれています。
おまけ(七大綱領とそれぞれの意味)
以下のリンクより七大綱領のそれぞれの記事がご覧いただけます。


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