スピリチュアリストの英国最大の統一組織 SNU (Spiritualists National Union) では、七大綱領を通じた近代スピリチュアリズムの哲学を啓蒙するという目的のもと活動を行っています。そして、この哲学に基づいた生き方を選び、理解・実践している人のことをスピリチュアリストと呼びます。
この七大綱領は、心霊誌 Two Worlds を創刊したビクトリア時代の女性霊媒エマ・ハーディング・ブリテンを通じて、霊界から霊言で届けられたものとされています。
→エマ氏についての詳しい記事はこちら
スピリチュアリズム七大綱領
- 神は全ての父である
- 人類は同胞である
- 霊的世界と地上界との間には霊的交わりがあり、人類は天使の支配を受ける
- 人間の魂は死後も存続する
- 我々には自由意志とそれに伴う責任がある
- 善悪にかかわらず全ての行いには相応の報いが生じる
- いかなる魂も永遠に進化の道が開かれている
現在の世界では、さまざまな地域で戦争や紛争が続いています。ニュースを開けば、国同士の対立、人種や宗教の違いによる衝突、歴史認識の食い違いなどが報じられ、心を痛めている方も多いのではないでしょうか。
これらの出来事は遠い国の話のように感じるかもしれません。しかし、家庭を守りながら日々を過ごしている私たちにとっても、決して無関係ではありません。
物価の上昇
エネルギー価格の変動
社会不安の広がり
こうした形で、戦争は確実に私たちの日常に影響を与えています。
しかし、このような状況は、決して現代に限ったことではありません。
人類の歴史は、残念ながら争いの歴史でもあります。
古代から現代に至るまで、価値観の違い、資源の奪い合い、信念の違いなどから争いが起こってきました。
意見の対立は、こんなにも人々、果ては世界までも変えてしまうのかと驚かされます。
スピリチュアルな視点から見ても、人類はまだ学びの途中にある存在です。
争いが起こるたびに、私たちはこの「違い」をどう受け止めるかという課題を突きつけられているのではないでしょうか。
今回は賢者たちの言葉を借りながら、そしてスピリチュアリストの視点から 第二綱領:人類は同胞である をどのようにとらえるか考えていきたいと思います。
違いが恐れを生み、恐れが対立を生む

挫折の原因は外部環境ではない。内部の不和と分裂なのだ。
人は、自分と異なるものに対して不安や恐れを感じやすい存在です。
- 文化が違う
- 宗教が違う
- 歴史認識が違う
- 価値観が違う
こうした違いがあると、「理解できない」という気持ちが生まれます。
そして、その理解できないものに対して、人は無意識に距離を取り、防御しようとします。
この防御の心が強くなると、「相手は危険だ」「自分たちを守らなければならない」という意識に変わり、やがて対立へと発展していきます。
しかし、霊的な視点から見ると、すべての人間は同じ源から生まれた魂です。
国籍や文化の違いは、この地上での経験の違いに過ぎません。
近代スピリチュアリズムの第七綱領の第二綱領には、
「人類はみな同胞である」
とあります。
この言葉は、単なる理想論ではありません。
霊的な真実を示したものです。
私たちは、地上では異なる国に生まれますが、魂のレベルでは同じ家族なのです。
この視点を持つことが、争いを解決する第一歩になります。
家庭の中にもある「小さな対立」

あなたが世界に見たいと思う変化は、あなた自身が起こさなければなりません。
世界の戦争は大きな問題ですが、その根本は、実は私たちの日常にも存在しています。
例えば、
- 夫婦間の意見の違い
- 子育てに関する考え方の違い
- 上司や部下との価値観の違い
こうした小さな違いが、誤解や衝突を生むことがあります。
しかし、多くの場合、相手を理解しようとする姿勢があれば、大きな争いにはなりません。
つまり、世界の平和は、家庭の平和から始まるとも言えるのです。
スピリチュアルな観点では、一人の意識は周囲に影響を与えると考えられています。
怒りや恐れが増えれば、家庭の雰囲気(エネルギー)も重くなります。
反対に、理解や思いやりが増えれば、家庭の雰囲気(エネルギー)も軽やかになります。
これは目に見えないものですが、確実に影響を与えています。
個という違いから学ぶ教訓

闇で闇を消すことはできない。闇を消すことができるのは光だけである。憎しみで憎しみを消すことはできない。憎しみを消すことができるのは愛だけである。
では、なぜ人はこんなにも違うのでしょう。
100人いたら100通りの個性を持っている私たちですが、育った環境も違えば、趣味嗜好、さまざまな違いがあります。
しかし、違って当然なのです。
自分と違う考え方の人に出会うことで、自己成長のきっかけとなります。
・自分自身の価値観が明確になる
・理解しようとすることで、思いやりが育つ
・受け入れる経験を重ねると、考え方が柔軟になる
これは魂の成長にとって大切なプロセスです。
違いに出会うと、最初は戸惑いや不安を感じることもあります。
しかし、その違いを理解しようとすることで、私たちの「利他愛」が育まれます。
- 利己主義(エゴイズム)他者の利益や感情を顧みず、自分自身の利益、快楽、幸福を最優先する思想や行動様式
- 利他主義(アルトゥリズム)自己の利益よりも他者の幸福や利益を優先し、行動する道徳的・倫理的な考え方
魂の学びは人それぞれです、成長速度も違います。
しかし、私たちが人との交わりの中でこのことを学ぶことで利他愛が育まれ、愛と寛容の精神が大きくなっていきます。
私たちが今できる小さな実践

実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。
では、「人類はみな同胞である」という視点から、この利他愛をどのように日常に活かせばよいのでしょうか。
まずできることは、日常の中で感謝の気持ちを増やすことです。
そして、相手の立場を想像することです。
ニュースを見るときも、「なぜこの国はこう考えるのだろう」と一歩引いて考えてみる。
違う意見の人に出会ったときも、「この人にはこの人の背景がある」と受け止めてみる。
- 家族に感謝を伝える(感謝)
- 違う意見をすぐに否定しない(寛容)
- 相手の背景を考える(配慮)
小さな優しさや思いやりは、見えない形で広がっていきます。
それは、家庭の雰囲気から、職場、友人と、人間関係全体へ広がっていきます。
一人の優しさが、また別の人の優しさを生み出すのです。
いきなり変えるのではなく、今できることから
シルバーバーチはこう語っています。

あなた方は皆、同じ神の子であり、同じ霊の家族です
この言葉は、第七綱領の第二綱領「人類はみな同胞である」と深く重なります。
世界を一気に変えることはできません。
しかし、小さな意識の変化は、確実に未来を変えていきます。
歴史は繰り返されると言われますが、それは同時に、人類が学び続けている証でもあります。
私たち一人ひとりが、「人類はみな同胞である」という視点を持つことが、争いの少ない世界に近づく一歩かもしれません。
いきなり大きなことをする必要はありません。
- 身近な人に優しくする
- 違いを受け入れる
- 相手を理解しようとする
この小さな行動が、やがて大きな変化につながります。
霊的な視点から見れば、すべての魂は成長の途中にあります。
誰かの行動や思考は返ることはできませんが、自分自身の行動や思考は変えることができます。
だからこそ、今この時代に生きている私たちが、少しでも愛と理解を選択することが、未来への希望になるのです。
「人類はみな同胞である」
この言葉を、理想ではなく日常の実践として、静かに広げていきたいものです。


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