神とは何か?

4月

スピリチュアリストの英国最大の統一組織 SNU (Spiritualists  National  Union) では、七大綱領を通じた近代スピリチュアリズムの哲学を啓蒙するという目的のもと活動を行っています。そして、この哲学に基づいた生き方を選び、理解・実践している人のことをスピリチュアリストと呼びます。

この七大綱領は、心霊誌 Two Worlds を創刊したビクトリア時代の女性霊媒エマ・ハーディング・ブリテンを通じて、霊界から霊言で届けられたものとされています。
→エマ氏についての詳しい記事はこちら

スピリチュアリズム七大綱領
  1. 神は全ての父である
  2. 人類は同胞である
  3. 霊的世界と地上界との間には霊的交わりがあり、人類は天使の支配を受ける
  4. 人間の魂は死後も存続する
  5. 我々には自由意志とそれに伴う責任がある
  6. 善悪にかかわらず全ての行いには相応の報いが生じる
  7. いかなる魂も永遠に進化の道が開かれている

今回はこちらの 第一綱領:神は全ての父である をテーマにお話ししていきます。

神とは一体何でしょう?

神がどのような存在であるか、また神をどのように定義するか。
これらの考え方は、国や地域や環境によっても異なってくるでしょう。
また、個人の属する宗教や哲学などによっても変化があります。

これらを前提に、そしてスピリチュアリストの視点から 第一綱領:神は全ての父である の  をどのようにとらえるか考えていきたいと思います。

(その詳細は諸説ありますが、ここではよく言われているものをご紹介します)

どんな神を創造する?

まずは一般的に「神」と呼ばれるとどんなイメージをするでしょう?

  • イエス・キリスト(救世主:キリスト教の教えを説いた人)
  • ブッタ(目覚めた人:仏教の教えを説いた人)
  • 天照大御神(太陽神:日本神話)
  • 創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァ(三神一体の最高神:インド神話)
  • ラー、アメン、アテン(太陽神:エジプト神話)
  • ゼウス、ヘーラー、アテーナー、アポローン、アプロディーテー、アレース、アルテミス、デーメーテール、ヘーパイストス、ヘルメース、ポセイドーン、ヘスティア(オリュンポスの十二神:ギリシャ神話)

多くの人はだいたいこの辺りを創造するのではないかと思います。

では次に、それぞれの国と宗教、その成り立ちを観ていきましょう。

宗教とそれぞれの神

宗教は主に世界三大宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)やヒンドゥー教などが主流といわれ、日本においては神道、仏教、キリスト教が代表的です。

これらは一神教や多神教、アニミズムといった形態に分類され、葬儀や生活習慣に大きな違いが見られます。 

ここでは代表的なものを簡単にご紹介してみます。

  • 対象:八百万の神(日本の風土と歴史の中で生まれた日本固有の民族信仰。特定の教典を持たず、日常生活の中で感謝し、正直・素直な心で生きることを教えの根幹としています。)

名称:神道(多神教)
開祖:なし
成立:開祖や設立年は存在せず、縄文時代(紀元前140世紀頃)を起点に弥生時代から古墳時代にかけてその原型が形成されたと考えられている
発祥:自然に生じた神観念
聖典:なし(※古事記や日本書記が原点(日本現存最古の歴史書は西暦712年に完成し元明天皇に献上された))
清浄を尊び、神社への参拝や四季の祭りを通して地域社会の絆や人生の通過儀礼(七五三など)に根付いています。万物に神が宿ると考え、自然への感謝や畏敬の念、清浄(清明心)、祖先崇拝を大切にします。

  • 対象:キリスト(神の無条件の愛を基盤とした「神への愛」と「隣人愛」。敵をも愛し、許し、奉仕することを説き、律法よりも心や魂の救いを重視しました。具体的には、愛の行動、謙虚さ、そして神への信仰を通じて、平和と永遠の命を得る道を伝えています。)

名称:キリスト教(一神教)
開祖:ナザレのイエス(後のイエス・キリスト)
成立:西暦30年ごろパレスチナ地方のエルサレムやベツレヘム周辺発祥(イエスの処刑後間もなくエルサレムで活動を再開した人々が最初のキリスト教徒であり、その信仰がキリスト教である)
発祥:紀元前6年から紀元前4年ごろナザレのイエスがベツレヘムで大工の息子として誕生したのがはじまり
聖典:聖書(旧約聖書、ヘブライ語聖書、新約聖書)
キリスト教の宗派は、大きくカトリック、プロテスタント、正教会(ギリシア正教など)の3つの主要なグループ(3大宗派)に分かれており、その歴史的経緯から様々な教派、教団、組織、信条が存在している。

  • 対象:ブッタ(:苦しみの原因(煩悩)を理解し、正しい生活と心持ちによって穏やかな安らぎ(悟り・涅槃)に至る実践的な教え。基本は、諸行無常(すべて変化する)、諸法無我(繋がりの中で存在)、一切皆苦(思い通りにならない)という真理を理解し、執着を捨てて生きること)

名称:仏教(一神教)
開祖:ゴータマ・シッダールタ(後のブッタ)
成立:紀元前590年頃マガダ国(現在のインドのビハール州を中心とした古代インドの東部地域)発祥(ゴータマ・シッダールタが35歳の時に悟りを得てから仏陀として教えを広め、更にその弟子たちをインド全域に派遣し教えを広め教団を形成した)
発祥:紀元前565年ごろインドのコーサラ国の釈迦族の王子として誕生したのがはじまり
聖典:仏典(原始仏典、大乗仏典)
仏陀が80歳で入滅するまでに、数千人が彼に付き随ったといわれている。そして、その後 400年間の間に、仏教には様々な活動が見られた。部派仏教(今日、上座部仏教だけが現存している)の成立、および大乗仏教、密教および横断的な部派の成立である。

  • 対象:ブラフマー(輪廻転生(魂の生まれ変わり)と、現世の行いが来世を決める「カルマ(業)」の法則を根本とする、インドの民族宗教。神聖な大地や生き物を敬い、正しい生活(ダルマ)を送ることで、最終的な解脱(輪廻からの解放)を目指します。)

名称:ヒンドゥー教(一神教または多神教)
開祖:なし
成立:紀元前500年~400年に顕在化し始め、紀元後400年~500年に当時優勢であった仏教を凌ぐようになった
発祥:紀元前1500年頃インドのバラモン教と、土着の信仰が長年かけて混ざり合い、自然発生的に成立した
聖典:シュルティ(天啓)、スムリティ(聖伝)
聖典や教典、明確な教義も存在せず、生活様式や伝統が受け継がれている宗教。また、地域やカーストによって信仰形態が著しく異なる。七福神の内、3人の神様はそれぞれインド神をモデルとしています。大黒天(だいこくてん)はマハーカーラ、毘沙門天(びしゃもんてん)はクベーラ、弁財天(べんざいてん)はサラスヴァティー。

神という言葉を使うとき

さて、その他にも神というとどのようなものを指すのでしょうか?

言葉として使うときにどのように使うのか?

  • 女神様:幸運をもたらす人を指す時
  • まさに神:助けてもらった人や恩人
  • 神曲:いい曲を指す時
  • 神がかり:演奏や演技など行動を指す時
  • 神対応: 顧客対応やファンサービスが素晴らしい、非常に親切な対応
  • 神回: アニメ、ドラマ、YouTube動画などで、内容が非常に面白い回
  • 神ゲー: 非常に面白く、完成度の高いゲーム
  • 神プレイ: サッカーやゲームなどで、人知を超えた素晴らしい技術や行動
  • マジ神:「本当に最高」「助かった」という賛辞

神を理解(定義)したい人類

神というとイメージする形や宗教や言葉は千差万別です。

しかし、神=完璧なものというものは全ての人が持つ概念ではないでしょうか。

在りのままで変わる必要のない絶対的なもの、その共通意識は古来から受け継がれています。

それが時を超え、時代を経て、宗教や思想や言葉に人の意識が入りイメージが付いて回りました。

果たして神は人の形をしているのか?

私たちが創造する神は本当に神そのものなのか?

私たちは三次元という物質的な世界に生きています。

物質的な面は始まりと終わりがあり、永続性はありません。

いつかは朽ち果て、終わりがあり、全てのものは移ろいゆきます。

その私たちが「神」という存在を理解することはできるのでしょうか。

現在私たちが分かっている範囲で、この宇宙、そして生命について以下を見てみてください。

宇宙
歴史:約138億年
誕生:宇宙
起源説:ビックバン理論
詳細:宇宙が超高温・超高密度の「火の玉」状態から爆発的に膨張し、冷却されながら現在の姿になったとする
謎:95%以上が正体不明の「ダークマター」と「ダークエネルギー」で構成されており、ビッグバン以前の状況やブラックホールの中心、宇宙の果ての先など、現代の物理学でも解明できない多くの謎が残されています。これらは、人類が観測可能な範囲(138億光年)を超えているため、観測・証明が不可能な領域とされています。

深海
歴史:約700万年前
誕生:アフリカ
起源説:深海起源説
詳細:地球の生命が約40億年前の深海熱水噴出孔周辺で誕生したとされる
謎:深海(水深200m以深)は地球の面積の約80%、体積の約93%を占めますが、人類が直接確認・調査できた深海底は全体のわずか0.001%〜数%程度(視覚的調査に基づく)とされ、ほとんどが未解明です。海底地形図の解明率も約15〜25%程度に留まっています。

微生物
歴史:約40億年前
誕生:地球
起源説:深海熱水噴出孔説(化学進化説)
詳細:原始地球に生命の素材となるタンパク質や核酸が現れ、36~38億年前に最初の生命が誕生。
謎:地球上の微生物の99%以上は未だ解明されておらず、研究室で培養(培養)できる微生物は全体の1%未満であり、多くの微生物は生態や機能が明らかになっていません。

植物
歴史:約12億年前
誕生:地球
起源説:JAMSTEC研究解析
詳細:約12億年前、シアノバクテリアが真核生物に取り込まれて葉緑体になった(細胞内共生)ことが、植物誕生の契機となった瞬間であるとされる。
謎:地球上で進化し続けている植物は脳や神経を持たないにもかかわらず人間には想像できないほど高度で複雑な能力を持っており、その多くは未だに解明されていません

人類(人体)
歴史:約700万年前
誕生:アフリカ
起源説:アフリカ単一起源説
詳細:二足歩行、道具・火の使用、脳の巨大化を経て進化。
謎:人体の約8割はまだ謎に包まれているとされ、特に脳の機能、意識の発生、細胞間の未知の通信、睡眠の真の目的、そして「がん」の完全な克服メカニズムなどは、現代科学でも完全に解明されていません。


歴史:約5億2,400万年前
誕生:中国の雲南省
起源説:
詳細:脊椎動物の祖先であり、最も原始的な魚類は、あごを持たない「無顎類(むがくるい)」であったと考えられている。深海魚の生態(99%が未解明)、暗闇での発光メカニズム、そして毎年発見される新種など、魚類は未だ多くの謎に包まれています。特に深海は高水圧・低温・暗黒の極限環境であり、そこに暮らす巨大生物や珍奇な外見の魚の繁殖・摂食行動は、現在も研究が進められている最先端の領域です。

わたしたちヒトはチンパンジーなどの類人猿と同じ祖先から進化したと考えられています。
もっと昔までさかのぼると、500万~3000万種ともいわれる地球上の生き物すべてが1つの祖先にたどりつくとされ、これが地球で最初の生き物という学説もあります。

この「最初の生き物」は、約38億年前に海で生まれたとされていました。
けれども、2017年に東京大学などの研究グループは、「約40億年前には生命がいたのではないか」という研究成果を発表しています。
最初の生き物が生まれた年代は、今後の研究でさらに変わるかもしれません。

さて、今までたくさんの研究者が調査や実験、分析に取り組みこのような事実が明らかになってきました。
しかし、その多くは未だに解明されていないのも事実であり、新しい研究で得た結果で今までとは異なる学説が発表されるため不確実性を持っています。

アリストテレス(前384〜前322)は、古代ギリシャの哲学者で、「万学の祖」と称される人物です。プラトンの弟子であり、論理学、物理学、生物学、倫理学、政治学など幅広い分野を体系化し、現実的な観察に基づく知を築きました。

彼は以下のように述べています。

アリストテレス

人間は、生まれつき知ることを欲する。
 (All men by nature desire to know.) 

アリストテレスは、知識を得ること(知る)は、人間にとって単なる趣味や実用的な手段ではなく、人間という生物の根本的な欲求、あるいは本質的な機能であると定義しました。

さて、もう一度問います。

私たちは、本当の意味で神を理解することはできるのでしょうか。

ここからはスピリチュアリズムの観点から神というものを見ていきましょう。

スピリチュアリズムの神の定義

ここではまず、シルバーバーチの言葉をご紹介します。

シルバーバーチ

神という存在を人間に説明するのはとても困難です。人間には独立した形態を具えた存在としてしか想像できないからです。言語や記号を超越したものを地上の言語で説明しようとするのが、そもそも無理な話です。創造の本質に関わることなのです。

神という存在をどこかのある一点に焦点を持つ力であるとは言えません。そんなものではないのです。神とは完全な心───初めも終りもなく、永遠に働き続ける完璧な摂理です。真っ暗だったところへある日突然光が射し込んだというものではありません。生命は円運動です。始まりも終りもありません

シルバーバーチは私たちに霊的な視点で物事を見るよう常々伝えています。

神は生命そのもの、命そのもの。摂理そのもの。法則そのもの。

ここで、自然に目線を当ててみましょう。

地球は一切の狂いなく自然に自転しています。

太陽は必ず上り、沈みゆきます。

月の引力が潮の満ち引きに影響を与えます。

花は季節に合わせて咲き誇り、虫たちも季節に合わせてその生命を全うします。

私たちは意識することなく心臓が脈を打ち、その血液は全身へと回ります。

そして、シルバーバーチはこうも述べています。

シルバーバーチ

私にとって神々は永遠不変にして全知全能の摂理としての宇宙の大霊です。私はその摂理にいかなる不完全さも欠陥も不備も見つけたことがありません。原因と結果の連鎖関係が完璧です。

この複雑を極めた宇宙の生命活動のあらゆる側面において完璧な配慮が行きわたっております。例えば極大から極微までの無数の形と色と組織を持つ生物が存在し、その一つ一つが完全なメカニズムで生命を維持している事実に目を向けていただけば、神の法則の全構図と全組織がいかに包括的かつ完全であるかを認識されるはずです。

私にとって神とは法則であり、法則がすなわち神です。ただ、あなた方は不完全な物質の世界におられるということです。

神とは決して人の形をしているわけでもなく、精霊や天使でもなく、太陽や山や海でもなく、完全なるこの世界全ての法則なのです。

ただ、私たち人間はアリストテレスの言うように知りたいという欲があります。
そして、ここ3次元の物質世界では何かに例えてみないと認識できないという人間の脳も持ち合わせている私たちは、神を擬人化したいのかもしれませんね。

しかし、ここに生きる以上私たちの脳では理解できないほどの大きな大きな法則、それがこの全宇宙の神と呼ばれる存在なのかもしれません。

シルバーバーチは第一綱領について以下のように述べているので補足。
1:神は全人類の父である。

「これは、用語が適切さを欠いております。神(ゴット)、私のいう大霊は、みなさんがお考えになるような意味での〝父〟ではありません。これでは、愛と叡智の無限の力、全生命の造化の大霊を、人間の父親、つまり男性とすることになります。かくしてそこに、偉大なる男性であるところの人間神というイメージができ上がります。

大霊には男性と女性のすべての属性が含まれます。すべてを支配する霊である以上は、必然的に生命の全表現───父性的なもの・母性的なもの・同胞的なもの───を含むことになります。ありとあらゆる側面が大霊の支配下にあるのです」

最後に

それでも私たちは神の一部を携えた存在です。

一人ひとりの中に神が宿っています、木々や花々や虫たちといった生命も、時に神を魅せてくれます。そして、私たちの行いそのものに神を見出す人もいるでしょう。

神が創造した世界に私たちが生きているということは、もうその中に神の一部が宿っているということは明白なのではないでしょうか。

みなさんはどう考えますでしょうか?

私個人的には、何にもとらわれない神=法則という定義したシルバーバーチのお話はとても腑に落ちました。

是非一度、あなたの思うについて、考えてみてください。

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